遠い昔からやってきてくれた。


昨日、嬉しいことがあった。もう何十年も会っていない友人が、LAから僕を尋ねて来てくれた。何の前触れもなしに。聞けば昨年2月の全日空機内誌、翼の王国を見て、いつか訪ねようと思ってくれたらしい。これもまた偶然である。実はこの友人、僕がロスアンゼルスで最初に入った、旅行会社の社員であった。何回か書いて見飽きた人もいるかも知れぬが、ちょいと説明をしたい。1992年の4月のことである。僕はスーツケース一つで、ロスアンゼルス国際空港に降り立った。何の仕事のあてもなし。ただアメリカに、住みつきたかった。着いて1週間後日系スーパーで新聞求人を探し、面接に行った。面接してくれた人は、妙に事務的で日本の役所にいるようなタイプの人であった。その面接の人が、「ソーシャルセキュリティーカード出して」という。はあ?「ソーシャルセキュリティーカードってなんでしょう?と僕。ではドライバーズライセンス出して?はあ?持っていません。ではグリーンカードは?はあ?持っていません。じゃ何があるの?はい。ラジカセは。まあこんな具合であった。今考えると、ぞっとするほど無鉄砲であった。しかし何故か採用。その時オフィースにいたのが、写真の友人である。この友人と、今でも交流のある友人も、その時の会社からの付き合い。かれこれ23年に、なるのである。彼らは初めて永住権の抽選で、見事に当たった幸運な人たちであった。僕みたいな、ないない尽くしの人間から見たら、彼らのグリーンカードは水戸黄門様の印籠くらいのイメージであった。そんな友人が、わざわざLAから尋ねて来てくれた。本当に嬉しいことで、有り難いことである。

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