古色蒼然


久しぶりになんちゃって、いやレレレのレの文章を書いてみたいと思う。意外にもこのレレレのレは人気があるという。 今日ワイキキを歩いている、古色蒼然とした男がカップルで歩いておった。 古色蒼然の意味を調べたところ、長い年月を経て、見るからに古びた趣をたたえているさま。古めかしいようすとある。 なにゆえ古色蒼然を持ちだしたかというと、男の服装である。 僕も洋服に携わる人間として、鼻血がでそうなくらいに驚いた。燦々と輝く太陽の下で、ピンクのパンツに黄色のポロシャツ。80年代の、ジャンボ尾崎を彷彿していた。 遠くからでも視認出来る、超インパクトのある服は、池田勇太でもちょっと着れん代物である。 ベルトまでは確認していないが、やはり想像するに、どでかいバックルタイプの物であろう。 その当時は、ギンギラギンにさりげなくなどが流行したが、さり気なくどころかその男はバブルへGOという感じである。 ワイキキには、色々な人種がいる。 もちろん70年代から離れることの出来ないヒッピーの白人や、UCLAのフットボールTシャツを着ている者もいる。 かと思えば、完全ゆとり世代の日本人でよれよれのTシャツを誇らしげに着ている者もいれば、僕のように生まれていない、50年代のコーディネートをしている人間もいる。ちなみに僕の出で立ちは、1950年代風の眼鏡とアロハシャツ、時計はやはり50年代のアンティークインターナショナル。それだけでも、完全に傍から見ればいっちゃっているのである。 今では、どでかい眼鏡をまたするようになったが、一時はクローゼットの奥深くしまっておった。90年代にしていると、CCBのようですねとかけなされ、2000年代に入ると、嫌いなお笑い芸人にされてほとんど逃げた。 ところが2012年になり、またどでかいフレームに違和感を感じなくなった。というのは時代が戻っているである。しかし恥ずかしいので、この眼鏡は「ジョン・レノンも好んでいたブランドなのですよ」と、注釈は忘れない。と、まあとにかく時代というやつはやっかいなのだ。乗り遅れも、最先端すぎるのも、むずかしい。そうかと云って、10年を超えると全くいけてないヴィジュアルになってしまう。 そうこうしていると、ワイキキに今はほとんど見かけることのなくなった、ロレックスのコンビの時計をはめ、ポロシャツの襟をたて、裸足にスリップオンの、石田純一タイプはたまにおる。おるのか本物かは預かり知らぬところだ。 唯一見ないのは、70年代の東京に生息した、みゆき族とフォークシンガー南こうせつや伊勢正三タイプである。これは今のところ、確認が出来ていない。 また往年の高倉健のや◯ざ映画のような方も生息しない。 80年代の石原裕次郎みたいなどでかサングラスは、男は着用していないが、今現在は女がしている。沢尻なんとか風はとかく多い。 長々書いたが、ようはアロハシャツに関してはあまり流行り廃りがないということである。 僕の販売した11年前の柄は、今も店に置いてある。 15年前のラルフローレンのチノパンは、シルエットがドカンまではいかぬがボンタンのようで、とても着用できん。ボンタンを思う浮かべると、「すかしてんじゃねーぞ」とか「マビィ〜」とか、下品な言葉を乱発していた自分をひたすら恥じるのである。 そう考えるとアロハシャツは不変のアイテムといえよう。 店に来てくれれば、この一瞬むずかしそうなアイテムも完全無欠にコーディネートとして差し上げようとは、かなり上から目線のそしりを受けるであろうが、やってしんぜよう。 世界一かっこいいアロハシャツを。 でもたまに僕はCCB的な眼鏡をしている。でも女性はアラレちゃんメガネとも口走る。とほほほほ

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